「トップピース」という物

全体を覆うフルウィッグとは対照的な商品として、「トップピース」という物があります。
トップピースには、フルウィッグのような多くのメーカーが共通して使用している名称はなく、メーカーによっては「部分かつら」「部分ウィッグ」、男性用限定で「ツーペ」など、様々な呼称が使用されています。
恐らく、開発、販売当初にはそれほどメジャーな存在ではなかったため、各社それぞれに名称を決めた形になったのでしょう。

とはいえ、現代においてこのトップピースはかなり重宝されています。
よくエクステンションと同一視されていますが、実際には別物です。
トップピースはフルウィッグの一部を切り取ったような商品で、一部分の薄毛を隠すために使用されます。
全体的に毛髪が薄くなっているわけではなく、円形脱毛症や怪我、火傷など、一部に問題があるケースで使われるため、ファッションとしての使用よりも補足としての使用が多い商品となっています。

トップピースのメリットは、取り付けた際に蒸れたり締め付けられたりせず、重量感もないという点ですね。
つまり、フルウィッグのデメリットを解消した商品ということになります。
また、一部分のみなので価格的にも大きな負担にはならず、火傷などで毛髪が一部分失われている等、一時的な利用の場合にも重宝します。
何より、地毛を全て隠さないでも良いという点が、利用者にとっては大きな意味を持ちます。

一方で、装着という点に関しては難易度が高めになっています。
スッポリと覆うフルウィッグと違い、トップピースは一部に対して固定するため他の毛髪との違いがわかりやすく、ウィッグの装着箇所が外から見えてしまいやすい傾向にあります。
また、固定部が少なく、最初のうちは戸惑う人も多いようです。

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